新卒教師,新採用教員が同じ失敗をしないために
◇偉人伝を読むと,「疑似体験の大切さ」が書かれてあることがある。
自分は経験していなくても、他人の経験を本で学ぶことが必要だというものである。
疑似体験は,本当に大切だ。
まさに,知者は人の体験(歴史=書籍)から学ぶのである。
プロイセン首相としてドイツ統一を成功させた,ビスマルク:1815-98は,次のように言ったという。
「愚者だけが自分の経験から学ぶと信じている。私はむしろ、最初から自分の誤りを避けるため、他人の経験から学ぶのを好む。」
B.H.Liddell Hart『Why don't we learn from history』
予期せぬトラブルが起きたときに、本で学んだ経験が生きるというわけだ。
実は,「教師」ほど,このことが重要なことはない。
毎年,多くの新卒教師が赴任してくる。
その新卒教師が,同じような失敗をみんなでやっていたらどうなるか?
学級崩壊では済まない。
学年が崩壊し,やがては,学校全体に荒れの兆候が見えてくるようになる。
毎年,毎年,同じような失敗をしているようでは,現場では通用しなくなる。
◇だからこそ,歴史=書籍から,学んだ方がよいのだ。
余計な失敗を避けることができるからだ。
本を読むのは大切だと思う。
冬休み用に買った本を読んでいて、実感として思う。
「読んでおいてよかったな。」と思える本に出会える幸運を思う。
たかだか、数千円なのだ。
投資にしてみたら、タダみたいなものである。
それで、自分の仕事が充実するなら儲け物だと思う。
◇先輩教師の実践事例を学ぶことも大切だろうと思う。
所詮、自分1人での経験だけをもとに、様々な個性をもつ子供1人1人に対応するのは・・・無理な話である。
いろんな人を見ていて、最終的に本を読んでいる人は強いなと思ってしまう。
成功例を知るべきだ。
ただし、拙著「教師で成功する術」(小学館)には,失敗事例もたくさん出てくる。
これは,あえて失敗事例をたくさん載せることで,同じような失敗を全国の新卒教師が避けるためにやったことだ。
後輩教師に言っている。
「この本には、失敗例が出てくる。同じ失敗をしない上で、きっと役立ちますよ。」
・・・と。
私にとっては、同じ失敗を繰り返さないための楔ともなっている。