ちょっとした差が大きな違いに
◇広島で行われる研究会に参加したときには,広島焼きを食べることが多くあります。
どれを同じようなお好み焼き。
しかし、入っているお客の数は見事に分かれています。
20人待ちのお店、
5人ぐらい入っているお店、
0人のお店。
明暗ははっきり。
◇あえて、いつも行くところではなく、0人のお店に入ってみることもあります。
何が違うのかな?と思ったのです。
一番違うと感じたのは、接客の態度。
店員と店長の仲が悪いのか、けんか腰で店長が注意をしているのです。
笑顔がなく、照明も暗い感じがしました。
◇お好み焼きは、ばつぐんにおいしかったです。
もったいないな、と思いました。
生地に工夫があるようで、ふわふわとしていて、とてもおいしかったです。
もっと、ここのお好み焼きの売りを紹介すればよいのに・・、と思いました。
他の店は、お好み焼きの写真が店頭に飾ってあって、見てしまうとつい食べたくなるような工夫をしているのです。
そういう工夫をすれば、きっと売り上げも上がるのに、と思ってしまいました。
◇ほんのちょっとのことですが、売り上げは大きく関わってきます。
コンビニの店員さんも同じです。
挨拶の後に、お客さんの目を見ているか?
ほんのちょっとの違いです。
ほとんどの人は見ていません。
相手に感謝の気持ちを込めて「ありがとうございました」の挨拶をしろと教えられているはずです。
ですが、言葉だけが先行して、「ありがとうございました」と言うだけに終わっているのです。
ちょっとのことですが、見ている人は見ています。
ちょっとのことを大切にしたいと思うのです。
◇教師もまた同じだろうと思うのです。
子どもに話しかけるとき,教師の表情を豊かにできるか?
子どもが困った顔をしたとき,教師が「どうしたの?」,「大丈夫?」と尋ねることができるか。
授業中のほんの少しの子どもの動きをとらえられるか?
そして,その動きの意味を,理解できるか?
実力のある教師と,そうでない教師と,差はわずかに過ぎないように見えます。
しかし,そのわずかの差の中に,実は多くの努力や勉強が反映しているのです。
今の時代は,ある意味で幸運の時代です。
昔の教育界では,プロの技術や技能は,「隠し財産」になっていたからです。
私もまた,そのことを経験してきています。
「○○について教えてください」などと言おうものなら,「自分で考えなさい」と突き放されるのが当たり前だったのです。
でも今は,「みんなの力」で,「みんながチームになって」,一緒に教育の成果を高めていきましょうということが,全体の潮流になっているのです。
だから,○○を頑張ろうとチームを組んだとき,そのときこそ,知恵を出し合うことが必要になるのです。
隠し財産にしているような風潮は,だいぶなくなったわけです。
私もかつて,「こういう指導法がありますよ」とどんどん公開していました。
それは,みんなで教師力を高めて,そして,子どもたちを育てる教育を充実させる連帯の証だったのです。
こんなに恵まれた時代に,教育の技が書かれた本を買って読まないのは,はっきり言って,教師としての資質が疑われるのです。