新卒教師,新採用教員が同じ失敗をしないために
◇第一の心得は,「優れた実践から学ぶ」ということです。
優れた実践を調べて,そこから学ぶのです。
授業のやり方。
学級経営の方法。
子どもへの対応方法。
それぞれの分野で,優れて実践があります。
実践の成果を知り,どうやってその成果をつくりだしたのかを学ぶのです。
◇例えば,水泳の教え方でも,効果的な実践は様々あります。
先人が開発した方法を,とりあえず一つでもよいから,知っておくのです。
そして自分が水泳を教えるときに,その先人の開発した方法を,試してみるのです。
よく新卒教師が次のような勘違いをしていることがあります。
「自分は自分なりの教育方法で,子どもを伸ばそう」
これは,勘違いです。
いきなり,自分なりの教育方法を,その場で考えてもうまくいくはずがありません。
医者で考えると,このことがよく分かります。
医者が,病気の手術をするときに,自分なりの手術方法をその場で考えてやってみよう,などと思うでしょうか?
病気ごとに,治療法があり,手術の方法があるのです。
医療の世界では,優れた治療法は,医者の間で共有されるようになっています。
そして,効果的な治療法に絞って実行されるのです。
それぞれの医者が,「自分流の方法で治療をしよう!」などとは思わないのです。
それは,命を預かっているからです。
効果も何も分からないような方法を行き当たりばったりで試すわけにはいかないのです。
◇教師もまた同じです。
大げさではなく,子どもの命を預かっています。
大切な子どもの,大切な成長の機会に関わらせてもらっているのです。
行き当たりばったりの,効果も分からないような方法を,思いつきで試してみるということでよいわけがありません。
◇まずは謙虚になって,優れた実践から学ぶこと。
これができなくてはならないのです。
といっても,優れた実践から学ぶことは簡単なことです。
それは,本という形で,出版されていることがほとんどだからです。
先人が10年,20年と実践してきたことを,わずか1000円,2000円で手に入れることができます。
本を買ったら,教室に置いておきます。
いつでも調べられるようにしておくためです。
教室の本棚に教育書が何冊あるのか?
それが,その教師の実力を計る目安になります。
大切な本は,近くに置いておく。
近ければ,寝室でも,職員室でも,勉強机でも何でもよいのです。
近くに置いて,いつでも優れた実践に触れることができるようにしておけばよいのです。
◇本を選ぶときに,大切なポイントがあります。
それは,パラッと読んでみて,おもしろくない本は,役に立たないということです。
具体的な実践が載っていて,そして,原理や原則が学べ,かつ,自分が試すことができるような内容が書いてあると,それがすなわち良い本なのです。
「協働が大切だ」とか,「協同的な学びを創ろう」とか,「学習者自身の自己評価能力を向上させる」だとか,そんな美辞麗句だけが載っている本は,役に立ちません。
やはり,実践や現場の様子が分かるかどうかがポイントになってきます
是非,いろいろな本に出会い,優れた実践から学んでください。