新卒教師,新採用教員が同じ失敗をしないために
新卒教師が泣いていた放課後
◇「私,教員向いていないのかな。」
「自分が何やっていいのかわからないのです。」
新卒教師は日々悩んでいます。
4月,希望に胸を膨らませて赴任してきた学校。
担任の発表も,わくわくしながら聞いていたのです。
「こんな子どもたちを受けもつのかあ。」
「私は,今までの古い教師ではなく,子どもに近い新しい教師になるんだ!」
「私が学校をよくするんだ。」
そんなことを考えて,4月最初を過ごします。
4月2日,挨拶まわり。
4月3日,職員会議。大掃除。
4月4日,職員会議,校務分掌の引き継ぎ,学年会議・・,
4月5日,畑の菜園の土作り,トイレや下駄箱の掃除,教室の整理,自分の荷物運び,教室づくり・・,また学年会議・・・。
こうして,いつの間にやら4月6日の始業式を迎えるのです。
◇でも,よく考えると,学級経営とは何をどうすることなのか分かっていない。
いや,それどころか,子どもに何の話をすればよいのかわからない。
騒乱のうちに,始業式の一日を終えるのです。
あとは,何もかも,分からないまま一日,一日が過ぎていきます。
隣のクラスは,徐々に子どもが成長しているように見えます。
ハキハキと大きな声で発表しているのが聞こえてきます。
楽しいイベントをしているということもわかります。
◇反対に自分のクラスでは,子どもたちが騒乱状態です。
掃除などの当番も適当にやっています。
ノートもぐちゃぐちゃです。
授業はおもしろくない!そう公言する子も出てきます。
保護者からのクレームも入ってくるようになります。
教室の床はゴミだらけ。
放課後は一人,教室で一日の反省をするのです。
自分だけ何やっているのだろう。
こうして自分を責め始めるのです。
校長が介入しようが,教頭が助けに入ろうが,何も変わりません。
クラスは崩壊への一途を辿るばかり。
◇しかし,これが,普通に見られる新卒教師の状況なのです。
指示が通らないから,子どもは騒乱状態になる。
騒乱状態だから,授業も成立しない。
ヘルプを頼んでも,焼け石に水。
こんな状況では,心がすり切れてしまいます。
この状況を変える方法は,一つしかありません。
世の中には,口当たり良く「大丈夫だよ。気にしないで」とか,「チームで協働して苦労を分かち合おう」だとか,挙げ句の果てには,「仕事が終わってからストレス発散で食事会をしよう」とか聞くに堪えない「ニセのアドバイス」があふれています。
こんなことで,新卒教師が救われるわけがありません。
新卒教師に即必要なのは,単に「教育の方法の基礎基本」です。
それだけに過ぎないのです。
そしてそれがあれば,全てが解決に向かうのです。
口当たりのよいニセの言葉ではなく,我々先輩教師は,きちんと教えてあげるべきなのです。
「こんな教育の方法があるよ」と。