新卒教師,新採用教員が同じ失敗をしないために
◇例えば,水泳を教えるときに,何から教えたらよいでしょうか。
泳げるようになるには,三つの技能を順番に教える必要があります。
その三つの技能を,パッと言えるでしょうか。
三つの技能が言えたとして,それぞれの教え方を言えるでしょうか?
技能の教え方が言えたとして,それをシステム化して,子どもが自分で練習できるようにする方法を言えるでしょうか?
さらに,教え方の原理・原則を言えるでしょうか?
◇かくのごとく,ただ泳ぎ方を教えるといっても,教え方のレベルがあります。
新卒教師のほとんどは,まず,入り口で悩んでいます。
つまり,水泳を教えてねと言われたときに,
「何を教えたらいいのだろう」
「どうやって教えたらいいのだろう」
この入り口で悩んでいるのです。
そして,夏休みになっても,「結局泳がせることはできなかった」で終わるのです。
子どもたちは思っています。今年の教師は,教える力がない。
保護者も思います。今年の教師は外れだ。まったく我が子が泳げるようにならなかったと。
というより,最初から学校教育に期待していない保護者もいます。
水泳はどうせ学校では上達させられないから,スクールに行かせよう。
こんなことでよいのでしょうか?
◇でも,新卒教師の中で,「自分は教え方の入り口で悩んでいるんだ」と気付けた人は,センスのある人です。
まだ救いがあるのです。
もし,自分のせいじゃない,子どものせいだ,と思っている教師がいるとしたら,確実に,努力をせずに,1年が終わります。
そして,「手後れ」の状態になるのです。
大きな研究会では,「手後れ」になると,もう何を言っても無駄と,共通理解されています。
責任転嫁するようになったら,自助努力などしようはずがないからです。
「自分はまだ何とか大丈夫だ」と思っているうちは,手後れにまっしぐらに向かっています。
実力がなくても許されるのは,新卒1年目ぐらいのものです。
2年目から,「また泳がせることができなかった」では,周りからクレームが出てきます。
3年も4年も経って,まだ「今年も泳がせることができなかった」と言っているようでは,クレームの嵐に見舞われます。
クレームが多いのが悪いのではなく,クレームがくるほど実力がない自分が悪いのです。
自分の「責任転嫁」が悪いのです。
簡単に言えば,学びを放棄しているのが悪いのです。